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ペンドラゴンの思索

市井の哲学、生きることは考えること

書評 日本人の誇り

 

日本人の誇り (文春新書)

日本人の誇り (文春新書)

 

 

 揚げ足を取るつもりで、読みました。著者なりに左右にバランスを取っているのが伺えます。とは言うもののやはり保守の本ではありますが。

 

この本は日本は侵略戦争をしていないという主張が書かれいていますが、著者は新自由主義を否定しています。しかし新自由主義は今の保守の主流なのではないでしょうか。弱者切り捨ての自己責任が、保守本流だと認識していかので、この著者は保守派からも否定されるのではないのでしょうか?

 

日本が帝国主義になったことについては、著者は批判しています。一から十まで大日本帝国を賛美している訳ではないです。 

 

この本の3分の1は今の日本の現状に対する著者の考察で、3分の2は著者による歴史考察です。歴史については興味ない無知なので、あまり言及することは出来ませんが、最初の方の今の日本の現状に対する考察は、私の持論を述べることが出来そうです。

 

この本は発売されたときに買いました。右翼本なんて知らなかったんだよ。今では本はほとんどamazonで購入していますが、当時は書店に行って目についたものを購入していました。内容なんて見ずにタイトルだけで購入しました。なので5年ぶりに読み返します。内容はほとんど覚えていません。もともと歴史に興味がないので、覚えることは無理でしょう。幕末なら話は別ですが。

 

気になる部分に付箋を貼りながら読みました。

 

・領土問題は存在しません

著者は日本政府のこういう態度を批判していますが、同意です。とは言っても、私は外国に舐められるからという意味ではなく、どうみても領土問題なので領土問題だとはっきり認めるべきだと思います。wikipediaでも領土問題で検索すれば書かれています。

 

・女性は結婚しないし、子供を産まない

???それは男にも言えるような???

 

・モラル低下による犯罪の増加

典型的な「昔はよかった」の考え方です。私もデータを知っているわけではないので、反論は避けますが、なるべく根拠を提示すべきだと思います。

 

・江戸時代は治安がいい

庶民の家には鍵がなかったそうです。戸棚にも鍵がなかったそうです。これは幕末の日本に訪れたイギリス人が体験したことです。人間社会には必ず一定数の犯罪者が存在するはずです。にわかには信じがたい話です。

 

・江戸時代初期より三世紀半の間、子供たちの学力は世界一

本当かよ・・・。

 

・先生、親は偉い

これには色々な意見があると思います。私はソクラテス無知の知の話が好きです。ソクラテスは知とは単純に知識のことだけでなく、考え方や態度ふるまいまで含めています。教養に近いかもしれません。「その分野での専門家で高い地位があっても、他の分野は素人なので知ったかぶりをして、偉そうにしてはいけない。」という考え方です。

 

親や教師はこどもより長く生きて色々知っています。しかし人間としては対等です。知識を教える。分かるように教える。力でねじふせないで、納得するまで説明する必要があると思います。

 

・こどもを傷つけてはいけないという考えがゆとり教育の元

ゆとり教育は受験競争による学級崩壊を危惧して導入されました。またPISA(学習到達度調査)の成績を上げるために導入されました。個人的にはこのPISA自体を疑う必要があると思います。PISAを作っているのはOECD経済協力開発機構)です。海外では一部の人から金を稼ぐ人材を作るためのテストだと批判が出ていますが、日本でそのような批判は聞きません。OECDがどんな組織かあまり分かっていないので、いずれ調べてみたいと思います。

 

廃仏毀釈も「和」によって治まった

本当?

 

儒教の君主専制は「和」に反するので取り入れなかった

本当かしら

 

・江戸時代は貧乏人は存在するが貧困は存在しない

本当かよ・・・

でも、今年の正月にNHKの100分de平和論で江戸時代について色々話していました。江戸時代は今の資本主義とは違って、「遅く狭く小さく」商売が成り立っていました。今の世界は「早く広く大きく」が主流です。江戸時代は専門業が細かく設定されていたので、職にあぶれる人が少なかったそうです。これについては、またいずれ調べてみたいと思います。

 

・江戸時代は民主主義ではなかったが平和だった

封建主義は悪、民主主義こそが理想という流行りの考えに毒されている、歴史を学ぶには自由で柔軟な発想こそが求められる、らしいです。・・・そうなのでしょう。よく分かりません。少なくとも坂本龍馬身分制度には反対していたと思いますけど。

 

・明治人には歴史はない(過去を捨てた)

竜馬がゆくでもそういうことは書かれていた気がします。明治政府が徳川幕府を諸悪の根源のように言い触れ回ったからでしょう。

 

・国家が謝罪するのは日本だけ

そうなのか。というか他の国も謝罪すべきだと思います。アメリカ大統領も原爆投下と空襲は戦争犯罪なので謝罪すべきです。ただ、それによって日本がアジア諸国に行った加害行為が免罪される訳ではありません。

 

・日本は恥ずかしい国

著者が大学の新入生に質問すると、そういう回答が返ってくるそうです。私はそんな風に思ったことがないのでびっくりです。過去は過去、自分の生まれる前のことなのにどうして恥ないといけないのかと思います。自国の歴史を否定しているから、祖国に誇りを持てずに意欲や志を枯らしているそうです。そうかなぁ~。私は景気が良ければ自国を好きになれるし、やる気も出ると思います。バブルの頃はみんな楽しそうだったじゃない。私はバブルの後に生まれたので知りませんけど。

 

・日本の文学は素晴らしい

西暦500年から1500年までの間に生まれた日本の作品はヨーロッパの文学より質及び寮で圧倒している。らしいです。本当かよ・・・。

 

・国のために戦うか

この本には書かれていませんが、これは日本とドイツは順位が最下位です。敗戦国なのでそうなるのでしょうね。当然と言えば当然です。しかし、戦う覚悟のできている人なんているんですかね。

 

GHQが一週間で新憲法を作った

日本人が草案を作ったという話を見たことがある。うろ覚え。この憲法は国会で議論された後に制定されたそうです。なのでこの憲法は国民の意志であると著者は言っています。

 

天皇は国民の拠り所だった

そうかなぁ。

 

・世界から絶賛されていた教育勅語を廃止

廃止されて良かったです。

 

・国民と軍国主義の対立にすり替え

米軍の責任ではないことにするため。それも一理あると思います。しかしアメリカにも責任はありますし、軍部にも責任はあります。戦争を煽ったマスコミにも。その反省はしなければなりません。

 

・20世紀の10大ニュース

1位は原爆投下。1999年のアメリカAP通信社が世界の報道機関へのアンケート結果。核の抑止論という幻想が辛うじて成立しているのは、こういう感覚を世界が持っているからなのかも知れない。

 

・アメリカ世論は原爆投下は正しかった

今でも根強い考え方です。今までアメリカ大統領が広島に来れなかったのも、こういう世論があるからです。

 

風船爆弾

実際にアメリカまで届いたそうです。すごい。個人でも作れそう。

 

コミンテルンという謎の組織

ソ連共産党配下の国際組織。ときどきこの本に出てきます。出てくるわりに説明がないので、良く分かりません。そういえば田母神さんもコミンテルンについて書いて更迭されたっけか。日教組GHQコミンテルンの影響下にあったそうです。ちなみに今の日教組はほとんど機能していません。尾木直樹氏によれば日教組は政治に関与したのが間違いだったそうです。

 

・テレビ番組でB級戦犯父親を断罪

俳優が父親に戦争は人殺しで悪いことだと断罪するテレビ番組があったそうです。この本が2011年出版で、その4年ほど前なので、2007年頃。本当かよ・・・。私の祖父は戦争に志願したそうですが、祖父に対して何か言おうなどと考えたことはありません。ジャングルで大きな蛇を見たという話は聞いたことがあります。よく生きて帰ってきたなと思います。

 

映画「私は貝になりたい」の主人公もB級戦犯。「人間には生まれ変わりたくない、どうしても生まれ変わらなければならないのなら、海の底で静かに暮らす貝になりたい。」という人間社会そのものに絶望した話です。

 

・自由の制限

人間の幸せと社会の平穏のために自由はある程度制限する必要があるが、表現の自由は守られるべき、らしいです。自由については意見が分かれるところです。個人の自由は時にぶつかり合うので、仕方ない部分はあります。マナー警察がうるさい社会は好きじゃないです。

 

・アメリカの学校は忠誠を誓う

検索すると意外と多くの公立の学校がやっているらしい。911移行は選択制だが取り入れる学校が増えたとのこと。ただ、それが嫌だったという感想もちらほら。

 

・家族愛、郷土愛、祖国愛

この3つが人間の基本らしい。祖国愛と郷土愛、家族愛は両立しないと思う。原発は郷土愛と祖国愛の対立じゃん。祖国愛、愛国心は家族や故郷を犠牲にしなければ成り立たないと思います。

 

南京大虐殺

先祖がそんなことをしていたら立ち直れない。誇りを持てない。らしい。昔と今は関係ないと思うけど、関連付ける人もいるのかもしれない。私は先祖の罪は子孫は償う必要がないと思っています。罪を償うのはあくまで当事者だけです。しかし、政府としては謝罪しないといけないのかもしれません。この辺はサンデル教授が何か言っていた気がしますが、忘れました。

 

南京大虐殺をしたからODAを払っている

え、そうなの?そうだったの?それは考え直した方がいいと思います。

 

・八紘一字は世界は兄弟たちの住む一つの家

それは違う気がします。天皇中心とした大日本帝国の繁栄だと思います。八紘一字は結局なんだったのか誰も分からなかったという記事を読んだことがあります。

 

アングロサクソンは長期戦略を組み立てるのが得意

人種によってそんな違いがあるとは思えません。

 

・政府への不満を外国への憎しみにすりかえる中国

日本も似たような状況になってます。

 

満州国は住みやすくなったのに感謝されない

感謝されないでしょ。GHQのおかげで住みやすくなったのに感謝しない人がいるのと同じです。

  

・日本の選択肢

アメリカに屈服するか、野垂れ死ぬか、アメリカと戦争するか。野垂れ死んだ方が良かったんじゃないですかね。結局、戦争しても勝算はなかったわけですし。上級国民様が自分たちに敵意が向くのを避けるために戦争を始めたんじゃないんですか?アメリカに屈服したらどうなってたのでしょうか。そこは気になります。

 

・開戦してすっきりした

日本がアメリカに追い込まれ、国中が苦しくなっていたため。

本当かよ・・・。

 

・家制度の廃止

これは正しいです。なくなって良かったです。まだ完全になくなってはいませんが。

 

自衛隊は軍隊

同感です。軍隊です。正式に軍隊だと認めるべきだと思います。

 

また、読み返したいと思います。そしてもう一回書評を書いてみたいと思います。