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ペンドラゴンの思索

市井の哲学、生きることは考えること

「自衛隊の炊き出し」問題から考える論理問題

自衛隊違憲だと主張する弁護士が、災害にあったら自衛隊の炊き出しを食べるとツイートしたことが話題になっています。僕はこの考え方が間違っているとは思いません。彼が「憲法を変えるべき」と思っているのか、「自衛隊を廃止すべき」と考えているのかは分かりません。僕はここで論理トレーニングの問題を思い出しました。あの本にも似たような問題があるので取り上げてみます。

 

論理トレーニング101題の100問目にこんな問題があります。「新空港の工事に反対した人が空港を利用するのはおかしい」という論理展開の誤りを探す問題です。森を切り開くのに反対で、空港の利便性は認めているから空港を利用しても問題ない、ということです。自衛隊違憲であることが問題で、炊き出しを食べることは問題ではない、ということなんでしょう。

 

ここで敵が攻めてきたらどうするのか等と関係ない話をしてはいけません。それは論点のすり替えになってしまいます。今度は化粧品開発の動物実験で考えてみます。動物実験に反対でも、化粧品は認めているから利用するのも問題ないのでしょうか。

 

空港の工事反対は工事に反対なのであって、空港自体に反対なのではありません。なので工事してしまった空港を利用しても問題ないですし、他の空港も特に反対理由はありません。家事ロボットのせいで人間は堕落すると主張する人が、家事ロボットを使用するのはおかしいと書かれています。確かにそうです。

 

森を切り開くのに反対していた人が、森を切り開いて別荘を作れば論理的矛盾です。他人に批判したことと同じことを自分がするのは論理的矛盾を生じさせます。憲法違反を許さないと言っている人が、自衛隊憲法違反だけど特別だと言っているのなら論理的矛盾です。

 

自衛隊の炊き出しを食べることと、自衛隊憲法違反であることを主張することは両立します。自衛隊員は死ねと思っている人が炊き出しを食べることはたしかに矛盾しています。と、ここまで書いてこの弁護士を批判している人は、この弁護士が自衛隊を嫌っていると思っているから、反論しているのかもしれません。

 

「嫌いな自衛隊からの施しを受けるな」そう言いたいのかも知れません。でも別に嫌っているなんて一言も言ってません。それどころか彼は自衛隊に感謝しているとさえ言っています。勝手に相手の思考を想像して反論しているのなら、議論は平行線を辿るでしょう。議論できる相手とできない相手を見極めることは重要です。

 

論理トレーニング101題